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 アザケイは作中で「お前を見る。お前の暮らしを見る。お前の人生を見る。見えないはずのそれらを想像する。それはつまり決めつけで、決めつけとはつまり暴力だ」と書く。

「わからない他者を想像して理解しようとする試みでもあるんですよ。自分にとっては誰かの人生を書いてるから。ほら、『あなたの気持ちわかるよ』とかって僕、理解できなくて。そんなの、わかった気になってるだけじゃねえのって。色んな人の、僕が知ってる人生の断片をつなぎ合わせて、3、4000字で完結する人生を作ってる。ネットで、僕の小説は麻布競馬場本人のセラピーだって言われることがあるんですけど、そのとおりなんですよね」

執筆する時に意識するのは、あの手法だった

 みんながあれこれSNSで感想を言い合うアザケイのTwitter小説は、実は非常に技巧的だ。「書くのはパソコンではなく、スマホのみ。ライブ感を大事にしています。下書きもしないようにして、結末もわからずに書き始めて、バーって駆け抜けた方が面白いものが書ける。着想は、歩いてる時や家でのんびりしてる時に、最初の140字をパッと思い付くんですね。それでとりあえず1回飛び降る気持ちで、書き始めてみるんです。

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 変な完璧主義みたいなところがあるから、ちゃんと考え始めると一生書き終わらない。なのでTwitterみたいに、書いたら消すしかないみたいな、もうやり続けるしかないというフォーマットはすごく向いている。強制的に頭から絞り出せる。ほんとは恥ずかしいからやりたくないなとか、これ書いたら誰か嫌な気持ちになるかなとか思うようなことも、良くも悪くもパッと出せちゃう」

身振り手振りを交え理路整然と自身を語る

 140字ずつ40ツイートほどの、Twitterにしてはトータルで長文となる文字数を次々と読ませていく方法についても、アザケイは分析的に発信している。「やっぱり140字の連続って、独特なリズムを生みます。一つ一つのツイートに山場がないと離脱されてしまうので、パンチラインを出し続けるという、たぶんこれまであまりなかった方法をとっています。Netflixとかも連続ドラマをつくる時、離脱がなく一気見されるようにそういうのを意識してると聞くんですけどね。