加速するインフレと歩調を合わせるかのように、ゴルフ界の賞金が爆上がりしている。原因はサウジアラビア政府系ファンドの支援を受ける新ツアー「LIV(リブ)ゴルフ」だ。今季の開幕戦の賞金総額は2500万ドル(約36億円)。最終戦は5000万ドル(約72億円)にものぼることが明らかになった。

「これは1試合のプロスポーツ史上最高額。米PGAツアーも、負けじと来季は賞金を引き上げますが、最高のプレイヤーズ選手権でも、2500万ドルです」(スポーツ紙デスク)

※写真はイメージ ©iStock.com

 金満ぶりを示すエピソードがある。とあるアジア系の選手が、「リブゴルフに出たい!」と手紙を書いて、必死にアピールした。すると、参戦は叶わなかったが、「あなたの熱意はよくわかった」と、手紙への“お返し”に5000万円が提供されたというのだ。

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「リブゴルフはタイガー・ウッズに1000億円、松山英樹に400億円で移籍オファーをしたと言われている。それぐらいはお小遣い感覚なのかもしれません」(同前)

2022 リブゴルフ・インビテーショナル 第4戦 最終日 ©AFLO

 問題は、トッププロの引き抜きなどで、米ツアーとの対立が深まっていることだ。参戦した日本人選手もその煽りを受けている。

「谷原秀人、香妻陣一朗、稲森佑貴、木下稜介の4人です。第2戦の個人戦で6位に入った香妻は1億円超の賞金を獲得。たった1試合で生涯獲得賞金の約半分を稼いだ。ただ、サウジの人権問題などへの批判の声も大きく、リブゴルフに参加した全選手は、米ツアーに一切出られなくなってしまったのです」(運動部記者)