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美内すずえ先生にかけられた言葉
つい先日、およそ30年ぶりに、かつてアシスタントをさせてもらっていた美内先生と再会しました。先に本をお送りしていたのですが、既に書店で目を留めて買ってくれていたそうです。
再会した際には、「あなた、何か役割があるんじゃない?」という感想をいただきました。美内先生は人智を超えた力を持つような方々と交流があり、そうしたご本も出されていますが、東日本大震災の年月だけは誰も予知していなかったというのです。だからこそ、私が書いていたことに驚いた、とのことでした。
美内先生の言葉から、私の役割というものを考えてみると、次のようなことが言えるかもしれません。
何百年や何千年に一度という大災害は、自分の生きている間には起こらないと油断している人が大半だと思います。でも、逆に言えば何百年に1度だろうが可能性は必ずあるのだから、用心しておくべきです。
東日本大震災もそうでした。昔、同じ場所で同じような災害が起きていて、過去の教訓を記した石碑なども残っていたのに、軽視していた人が多かった。その結果、あの震災が忘れた頃にやってきたわけです。
でも、もし「大災害は2011年3月」にあるかもしれないから備えておこう、と多くの人が思っていたなら、人的被害はもっと少なくて済んだのではないでしょうか。
残念ながら1999年時点では、自分も含めてこの年月を忘れないでおこうと思った人はいなかったでしょうし、その時を迎えるまで話題になることもありませんでした。