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 もちろん、決心がつかないまま弁護士に相談していただいても構いません。ただ、最後に退職をするという決断をするのはご自身です。ご自身の中で種々の問題があっても、「辞めることだけは譲れない」と結論が出たら、「退職手続きを進めていきましょう。その際は、全力でサポートいたします」と依頼者には伝えています。

迷っている人、限界がきている人が電話の声で何となくわかることが

――竹内さんのお話を聞いていると、弁護士の退職代行はかなり手厚いというか。依頼者の悩みに寄り添っている印象を受けるのですが、そこまで手厚いのは一般的なのでしょうか?

竹内 私がお節介なだけかもしれません(笑)。依頼者との最初のコンタクトは電話が多いんですけど、声を聞いているだけで何となくわかることがあります。迷っている人なのか、いますぐ退職をしないともう限界だ、という人なのか。

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 後者にはいろいろな可能性やリスク説明をきちんと行いますが、「退職する意思が確定しているのであれば、すべて任せていただいて大丈夫ですから」とお声がけして、粛々と退職手続きを進めます。

 前者には、先程お話ししたように、いったん退職のリスクや退職以外の選択肢もお伝えしたうえで、転職の可能性なども伺いつつ、退職を申し入れる時期を含めてどうするか確認しますね。

 

従業員の雇用は想像以上に法律で厳重に守られている

――ちなみに、退職代行サービス利用時の注意点はありますか? 例えば、無断欠勤や遅刻が続いていると退職の交渉が難しくなるとか。

竹内 就業規則の中に規定がある場合は、処罰を受ける可能性はあります。でも、それで退職の交渉が難しくなることはないですね。

――退職の意思を伝える前に、会社から解雇される可能性はあるのでしょうか。

竹内 事前の勤務状況によってはそういうリスクもあるかもしれませんが、稀なケースだと思います。少なくとも私がご相談を受けた中ではないですね。会社が従業員を解雇するためにはいくつかのステップがあって、まずは厳重注意からスタートしないといけない。

 みなさんの想像以上に、雇用契約を結んでいる従業員の雇用は、法律で厳重に守られているんです。