ただ、そのきっかけとなったのが高島直樹さんの余計な一言とか、公明党が新28区で擁立したいと話してたら自民党都連会長の萩生田光一さんが地元のパトロンで世話になっている安藤高夫さんを立てようとして断ったとか、幹事長の茂木敏充さんが会談で余計なことを言って公明党側の神経を逆なでしたとか、基本的にろくでもない話しか入ってきません。ここは政権・与党全体の利益を考えて「おくちチャックマン」であるべきです。
公明党の支援なき都市型選挙の結果はどうなるか…
この自民党の四月会ばりの反創価学会的な動きは、創価学会の支援がなくても知名度が高かったり実績があるなどして独自の選挙戦が展開できる自民党有力議員を中心に広がっているのも確かです。
しかしながら、肝心の震源地である自民党東京都連においては、繰り返し緊急調査をするなどして動向を探っているものの、公明党の選挙支援がなければどう考えても良くて10勝19敗、創価学会が完全に離反して自民党の相手候補に何割か投票してしまう「スイング」が発生すると3勝26敗という、実に惨憺たる数字が予測されています。
本格的に公明党がブチ切れて自民の対抗候補に票を入れる話になってしまうと、現役閣僚の小倉將信さん(23区)や官邸で一時重宝された官房副長官の木原誠二さん(20区)も小選挙区で落選確実になります。地元で草取りしなさすぎて選挙区で落選した甘利明さんの事例と違い、公明党の支援なき都市型選挙となる本件は正直ヤバイことである一方、都市部における自民党の集票力というのはもともとたいしたことがないことに気づかないまま公明党に喧嘩を売ったのだ、とも言えます。
喧嘩を売られた創価学会のほうはむしろ冷静で、しかし残念な感じで「自民党の中の人たちがそこまで自分たち(創価学会)を嫌っているのであれば、協力しなくていいかなと思っている」と言っています。実際、前回国政選挙では公明党の集票力が落ちたことで618万票に留まったことが、一部自民党から公明党への配慮は要らないのではないかと強気の態度に出させる原因になったとも言われています。
しかしながら、公明党を支える創価学会の学会員が減って衰えてきているといっても、1回の選挙で小選挙区と比例あわせて1,100万票近くも動員できる政治団体が他に日本のどこにあるのかという話をみんな忘れています。