「連立存続か否か」を突きつけた岸田首相への踏み絵
今回、都議辞職にともなう都議補選が大田区でしめやかに行われ、ここで仁義なき森愛さんとセクハラ野次問題で話題になった自民・鈴木章浩さんが議席を確保しました。
そもそも区長選に出馬した森愛さんが辞職した都議の補選に、元いた都民ファーストではなく立憲と共産から支援を取り付けて出馬した森愛さんに「大田区の女光秀」という二つ名がついただけでなくトップ当選してしまったうえ、次点に割と惜しい感じで維新・細田純代さんが来てしまうという壮絶な譲り合い選挙が発生しました。大田区はいつから動物園になったのでしょうか。
青くなるのはこの大田区のある新4区を地盤とする自民・平将明さん陣営で、前回までは相手が共産テンプレ候補しか出てなかったのでダブルスコアで勝ち続けていたものが、維新が勢いのある状態で選挙に臨んで勝てるのか、という問題となります。今回の都議補選は投票率25%と盛り上がらなかったのに維新候補が単独で3万票を獲得し、トップの立憲・共産支持の森愛さんが4万8,000票です。鈴木章浩さんは立正佼成会からの支援で6,000票前後が乗っていたと見られますので、公明党からの支持が得られず立憲候補に共産が一本化すると、平将明さんは落選どころか3位転落もあり得る数字になります。相当頑張らないと大変なことです。
同じ構造は足立区、荒川区など人口の多い地域の投票所で続発しております。しかも、自民党都連では前回の統一地方選挙で特に惨敗と言っていい落選者を出しており、岸田政権の支持率とは別に組織力が大きく低下していることは間違いないのです。
公明党・山口那津男さんからの「選挙やるなら事前に言ってね」というメッセージは、明らかに自公連立政権存続か否かという岸田文雄さんに向けられた踏み絵であると同時に、このままいくならば岸田文雄さんは解散には踏み切らないのではないかと思われます。
あるのか、ないのか…与野党で吹き荒れる選挙風
いま与野党でしきりに吹き荒れる選挙風について言えば、なぜか幹事長の茂木敏充さんがよりによって「常在戦場」と言ったり、選対委員長の森山裕さんが「いつ選挙になってもおかしくない」と述べたりするたび、事務方や秘書が右往左往するのが伝統芸能のようになってきました。あたかも、自民党としては、秋まで好材料がなく上がり目がない岸田政権で選挙をやるなら支持率がまだある早いうちがいいと腹を括っているかのようです。
自民・茂木氏、衆院解散巡り「常在戦場」
https://www.sankei.com/article/20230603R67KG2GWIBLFBEKXNFLMTR4W7I/
選挙区で人を手配したり情勢調査で走り回ったりする側も、偉い人たちが選挙あるかもしれないぞって公言すると、どうせブラフだろ選挙なんてないだろ、ないって言ってよダーリンと思いながらも、本当に岸田さんが決断しちゃったら誰が何と言おうと選挙になってしまうわけでして、情報収集頑張らないといかんという話になるんですよね。
また、岸田文雄さんという政治家は、国葬のときも、またキエフ訪問のときもそうでしたが、外部からそのこだわりがよく分からないけど、何か脳内に降りてくると「やる」モードになってしまう御仁です。こうなると周りはみんなぶんぶん振り回されるわけでして、せめてコロナ対策の少ない今年の夏休みはゆっくり家族と過ごさせて欲しいというのが本音です。