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「え、ここに泊まれるの!?」値段や過ごしやすさだけじゃない…味わい深さがクセになる東日本の“宿泊施設”8選

「え、ここに泊まれるの!?」値段や過ごしやすさだけじゃない…味わい深さがクセになる東日本の“宿泊施設”8選

たまらん日本の宿泊施設【東日本篇】

2023/07/01

genre : ライフ,

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●西郊ロッヂング(東京都杉並区)

西郊ロッヂング外観

 東京都杉並区荻窪に建つ西郊ロッヂングは、昭和5年に建てられた元高級下宿屋。“西郊ロッヂング”と書かれた銅版葺きドームを掲げた館は昭和13年にできた新館であり、現在は賃貸マンションとして貸出中だ。

西郊ロッヂング玄関

 隣接する純和風な入り口が、泊まれる文化財、西郊ロッヂングの本館、旅館西郊(せいこう)である。元々はすべて洋間の洋館だったが、少しずつ手を入れられ現在ではその面影もわからないほど和風の旅館へと変身した。

西郊ロッヂング客室

 隅々にまで行き渡る意匠の数々が素晴らしいと、建築好き、レトロ好き、日本好きの外国人まで幅広く人気がある。上品な女将に迎え入れられると、足元は桜の寄せ木で作られた広い床、赤いじゅうたんが敷き詰められた階段、煌々と光る洋風の照明が高級感を演出している。

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西郊ロッヂング内観

 玄関の隣には、かつては食堂として使われていた、洋間の高級下宿屋時代の名残がうかがえるロビー。部屋と廊下の天井や柱、欄間には隅々まで意匠がほどこされ職人技が光る。各部屋の作りはそれぞれ異なっており、粋な遊び心が存分に味わえる貴重な物件だ。何度でも足を運び、いろんな部屋に泊まってみたい。

日常と真逆の高揚感

●ホテルニュー塩原(栃木県那須塩原市)

ホテルニュー塩原外観

 開湯1200年の歴史がある栃木県塩原温泉で、ひときわ目立つ巨大ホテル、ホテルニュー塩原。創業は1952年。はじめは塩原東京ホテルとしてスタートしたが、バブル崩壊や温泉ブームの低迷により経営が悪化した結果、2010年に大江戸温泉物語グループが経営を引き継ぎ、今にいたる。

本館と湯仙峡をつなぐ「虹のかけ橋」

 ホテルニュー塩原は西館・B&H館・湯仙峡の3館で構成されており、それらは5階と1階がつながっていたり、地下1階と4階がつながっていたりと、複雑すぎてまさに迷宮。

ショーが開かれる塩原鳳凰座

 ホテルニュー塩原に泊まった理由、それはほぼ毎日繰り広げられる、大衆演劇と歌謡ショーだ。迫力あるステージと圧倒的なライブ感に心奪われ、一夜で演者たちを好きになる。

迫力あるステージと圧倒的なライブ感

 演劇と歌のうまさ、至近距離での写真撮影、心を掴む話術で、はじめは関心の低かった私も魅了され、だんだんとステージの虜に。手拍子で満たされる会場はいつしかひとつとなり、熱気も最高潮。日常と真逆の高揚感にクラクラし、ドキドキが止まらなかった。