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 外壁がツタで覆われた、独特の威容を誇るガーデンズ。そこから今津線の高架をくぐって駅の南西側に出ると、兵庫県立芸術文化センターが目を引く。音楽指揮者の佐渡裕を芸術監督に据えて設計された、2000席の大ホールを中心とした文化施設だ。2002年に着工、2005年に開館している。

 そしてその周囲には、文化センターやガーデンズを取り囲むようにして、背の高いマンションが林立する。その中心を通っている道筋に、「球場筋」と名がつけられているのは、西宮球場がこの地にあった時代の名残だろうか。

 ともあれ、芸術文化の発信基地と、関西随一の商業施設。加えて駅の利便性が最高級となれば、住環境としてもこれまた一級品に違いない。いくつも大きなマンションが建ち並んでいるのも至極当然だ。道行く人はこの新しくも文化的な町にマッチした雰囲気を漂わせ、マンションの間を流れる小川もまた、町の空気を浄化する。ああ、これぞ阪急、ジスイズ阪急……。

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「ジスイズ阪急」なエリアと反対に向かって歩く。なにやら若い人たちが目立ってきて…

 では、西宮北口駅の北側はどうなっているのだろうか。踏切やガードをくぐって駅の北に抜けられないこともないが、せっかくなので西宮北口駅の構内を抜ける。

 改めて見れば、駅の構内も橋上駅舎のコンコース中央にちょっとした広場があって、待ち合わせスポットになっているあたりは実に阪急的(勝手なイメージです)で心地よい。若い人が目立つのは、今津線沿線に関西学院大学や神戸女学院大学のキャンパスがあるからだろうか。

 学生の街のイメージは、駅の北西側に出てもそのままだ。ここはガーデンズや文化センターといった巨大施設の建ち並ぶ南側とはうってかわって、わかりやすいくらいに私鉄沿線の駅前風景が広がる。

 階段を降りて駅舎の外に出ると、まずはすぐ目の前に小さな公園。その先には、何の変哲もない商店街が続く。個人経営の味がある店も目立つが、やはり中心になっているのはチェーンの居酒屋やファーストフードだ。その中を歩く学生風の若者たち。にしきた商店街と呼ばれるこの一帯は、まさしく学生街の風情を持つ小さな駅前商店街であった。