――男女でそんなに差があるんですね。おふたりはトランス同士の夜の行為についても発信されていてびっくりしました。
未悠 性欲あるの? とかめっちゃ聞かれるんですよ。そんな気軽に人の性事情を聞かんでも、とは思いますけど(笑)。でも特に当事者の方だと確かに知りたい人がいるのはわかるので、自分たちの体験とか試行錯誤については話してます。でも意外と普通ですよ、本当に。
歩夢 結局そういうことって手探りじゃないですか。お互いに何をしてほしいか、何をしてほしくないか探りながら2人の形を見つけていくしかないというか。そういう意味ではストレートの男女カップルと別に変わらないと思うんですけどね。
「優しくしてくれるのは嬉しいけど、放っておいてほしいことも」
――たしかにそうですね。他のカップルがどうしているかなんてわかりませんもんね。
歩夢 そうなんですよ。なんか特別なことをしてると思われがちなんですけど、全然そんなことないですからね。
――かなりいろんなことをぶっちゃけて情報発信をされていると思うんですが、反応の変化のようなものは感じていますか?
未悠 私達が小さい頃より全体として良い方向に向かってるとは思います。でもなんというか、ちょっと敏感? になられてるなって感じることはあります。「LGBTQの人はこういう風に扱ってあげないと」「悩んでるんやろ?」みたいな。優しくしてくれるのは嬉しいけど、もうちょっと普通に放っておいてほしいこともありますね。
歩夢 たぶん扱い方の正解が欲しいんだと思うんですよね。最近は子供を持つ親の方に相談されることも多くて「うちの男の子が女の子っぽい雰囲気なんですけどどうしたらいいでしょうか」という質問はとてもよく聞かれます。でも1人の人間を完全に理解するなんて無理だし、まして小学生の頃だと自分でも自分のことがよくわかってない場合も多いですよね。
――間違えたくないから正解が欲しい、と。そのためなのか、LGBTQのような分類もとても多くなっていますよね。
未悠 多すぎて、私たちも全部は把握できていないのが正直なところです(笑)。カテゴリーができることで理解してもらいやすくなるのはそうなんですけど、別にトランスセクシャルっていうことにプライドを持ってるわけでもないですし。
歩夢 増えすぎて、僕らですらちょっと面倒くさいと思っちゃうこともあるよな(笑)。
――そうなんですね。