2023年の音楽界の話題でいちばん驚いたのが、新しい学校のリーダーズの大ブレイクである。2020年リリースの「オトナブルー」が今年に入って大ヒットし、その振り付けであるいわゆる「首振りダンス」もTikTokから若い世代に広まった。年末に発表された新語・流行語大賞ではグループ名と「首振りダンス」がトップテン入りし、さらにきょう大晦日の紅白歌合戦に初出場を決め、トップバッターを務める。年明け1月9日には日本武道館でのコンサートも控えている。

「自称・青春日本代表」

 もはや説明は不要かもしれないが、新しい学校のリーダーズは、女性4人によるダンスボーカルユニットである。2015年7月の結成以来、「自称・青春日本代表」を標榜し、ダンスの振り付けもライブの構成もすべて自分たちで決めて、独自のパフォーマンスを展開してきた。メンバーも、コテコテの関西弁におかっぱ&丸眼鏡が強い印象を与えるSUZUKAをはじめ、最年長で二つ縛りヘアのMIZYU、刈り上げで尖った感じのRIN、黒髪ストレートでクールビューティな雰囲気のKANONと、ルックスからして個性派ぞろいだ。4人とも子供のときからダンスを習ってきたという。

 

 筆者が新しい学校のリーダーズの存在を知ったのは、じつに6年前の2017年にさかのぼる。この年4月~6月に放送された剛力彩芽主演の深夜ドラマ『女囚セブン』(テレビ朝日系)で、彼女たちのメジャーデビュー曲「毒花」が主題歌に採用された。いまにして思えば、この時点で結成2年足らずのグループとしては大抜擢だろう。しかし、当時の筆者はそんなことはつゆ知らず、往年の映画『女囚さそり』シリーズで主演の梶芽衣子が歌った主題歌「怨み節」を思わせる昭和歌謡っぽい曲調から、てっきり、年長の歌手が歌っているのかと思っていた。

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 それが、『女囚セブン』の最終回に女囚役でカメオ出演した4人を見て、どうやら結構若いらしいと気づく。ドラマ終了後には、剛力彩芽のラジオ番組に彼女たちがゲスト出演し、今度の日曜に名古屋郊外の大高緑地公園でのフェスに出演すると告知していた。それは名古屋発のガールズグループ・チームしゃちほこ(現・TEAM SHACHI)が主催する「SYACHI FES」という野外アイドルフェスで、6月25日に開催された。筆者の地元での開催とあって見逃す手はないと思い、そこで初めて新しい学校のリーダーズのパフォーマンスを生で目にすることになる。