1ページ目から読む
3/3ページ目

――勉強が苦手なタイプの子供でも、中高一貫校の理念や校風が子供に合っていると考えて中学受験をすることもあります。その点はどう思いますか?

財部 学校選びでは、その子のキャラクターを見てあげることが最も大切だと思います。私は中学受験を全否定するつもりはありません。実は私の子供も、性格を考慮して中高一貫校を選びました。小学校で同級生からのいじめに近いトラブルがあり、「小学校の人間関係を中学校で続けたくない」という思いがあったからです。

「勉強が好き」とまでは言えなくても嫌いではなかったり、小学校の授業には問題なくついていくことができるなど、いくつかの条件を考慮したうえで「ゆる受験」することに私は賛成です。「ゆる受験」とは、偏差値が高い学校にこだわらず「合格した中高一貫校に入れたらそれでいい」という考え方で、習い事や趣味と両立させながら個々のペースで行う受験です。

ADVERTISEMENT

高校受験にもメリットがある

――では、「大学入学共通テスト」の対策をするためには中高一貫校の方が有利だという意見についてはどうですか?

財部 東大や京大、東工大など難関大学の理系学部を受験する場合は、一理あると思います。中学の内容を2年で終わらせて、理系科目の演習量を増やした方がいいでしょう。そのレベルの大学を目指す子であれば、先取り学習は余裕でこなすことができると思います。

 だからといって、公立高校も無理ではありません。私の感覚ですが、勉強の才能がある子であれば、高校2年生の最初に「この大学を受けよう」と決意して受験勉強を開始すれば間に合います。結局、優秀な子は公立でも中高一貫校でも変わらないと思います。

 もし、「高校受験を避けたい」という理由だけで中学受験を考えている方がいたら、私は高校受験には大きなメリットがあることを強調したいと思います。