なぜ不良はモテる? その答えを、明治大学法学部教授の堀田秀吾氏が解説。新刊『12歳から始める心が折れない技術』(秀和システム)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)
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なぜ不良はモテるのか?
人間は、少しちがうものに注目しようとします。これは動物として、命を守るための本能です。
すべてがいつも通りだったら安全なのですが、そんなことはありませんよね。
たとえば、天気だけ考えてみても、晴れの日もあれば雨の日もあり、それどころか台風が来る日や大雪がふる日だってあります。何かいつもとちがうもの、ふつうとちがうものがあったら、自分にとって危険をおよぼすものかもしれません。
ですから、まわりに注目しておく必要があります。自分の命を守り、種族を守るために必要な本能なのです。
不良は、ある意味、ふつうとちがいます。
ゆえに、目立ちます。ですから、まず注目されやすいわけです。
そして「単純接触効果」といって、目にする回数が多いほど好意をいだきやすいという心理効果があります。
また、動物として、とくに女性は強い男性の遺伝子を子孫に残したいので、強い男性にひかれやすいと言われています。不良というのは、強気な人が多いし、腕力などでもほかの人にまさっていることが多いでしょう。
また、不良とは、ふつうは「悪いとされていること」や「やってはいけないはずのこと」を、あえてやったりします。やってはいけないことをすることは、とても勇気のいることです。
大人たちの決めたルールに抵抗することで、大人たちと対等に戦っているという強さを見せつけようとしていることもあるでしょう。