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たっぷりの生ニラにバラ肉の旨味…ありそうでなかった、立ち食いそば屋の「酢辛ニラ汁もり」は爽やかな味だった

2024/06/04

genre : ライフ, グルメ,

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 新宿や渋谷にある立ち食いそば屋「そば処信州屋」が、この春ユニークなメニューを発売し人気となっている。そのメニューが「酢辛ニラ汁もり」である。さっそく新宿南口店に行って食べてみることにした。

インバウンドで溢れる新宿駅南口

らーめんやつけめんではよくあるが…

「酢辛」や「ニラ」といえば、らーめんやつけめんでは「酸辣湯麺(サンラータンメン)」や「ニラそば」などが馴染みだ。そばで「ニラ」といえば栃木県鹿沼地方の郷土そば「ニラそば」がある。「もりそば」の上に湯がいた「ニラ」がたっぷりのって登場する。ラー油をかけた辛いそばもたまに遭遇する。しかし、そばで酸っぱくて辛くてニラを使った「酢辛ニラ汁」となるとあまりみたことがない。個人的には大変好きな組み合わせである。さてどんな味なのだろうか。

「そば処信州屋新宿南口店」は大変にきれいだ

昭和61年に渋谷で創業

「そば処信州屋」は昭和61年に渋谷で創業した古参店である。運営はクマガイコーポレーション株式会社。渋谷を拠点に発展した会社で、飲食店ブランドを展開する老舗である。「そば処信州屋新宿南口店」は新宿駅南口から東側へ階段を下りて直進し、3本目の路地を左折したすぐにあり、平成13年に開店した。実に2年ぶりの訪問である。5月末の金曜日、新宿にはインバウンドの波が押し寄せていた。

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「すっぱくて、ピリ辛い!つけ蕎麦!」
いつものメニュー

 店前に着くと最初に目に入ったのが「酢辛ニラ汁もり」のパネルである。「すっぱくて、ピリ辛い!つけ蕎麦!」と書いてある。おススメの商品だ。店内は手前に椅子付きのカウンターがあり、左側が奥まで立ち食いカウンターになっている。大変にきれいな店である。到着したのは午前10時過ぎ。こちらでも外国人が数名そばを食べていた。レジ前にホール担当のお姐さんがいたので、さっそく「酢辛ニラ汁もり」を注文した。

とても広くてきれいな店内

「そば処信州屋」はなんといっても特徴的なのが、冷麺のような加圧する押出式の製麺・麺茹の機械を使用していることである。最初に信州屋に行った時はこうした機械は珍しく、大変驚いた記憶がある。「そば処信州屋」は「打ちたて、揚げたて、茹でたて」を謳う。そば粉は石臼挽き。天ぷらも多種揚げられており、少しずつ揚げていくのでほぼ揚げ立ての状態で提供している。茹でる時間も30秒程度だと思う。だから、食べると不思議なくらいコシがあって大変おいしいのだ。押出式のそばとは思えないクオリティをずっと維持している。