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炎上案件、めちゃくちゃ怒る上司……「そんなの知らんがな」でやり過ごしたほうが“仕事で輝ける”納得の理由

龍崎翔子✕メン獄

source : ライフスタイル出版

genre : ビジネス, 読書, 働き方, ライフスタイル

note

現場に出て、人の話を聞いてチューニングする大切さ

メン獄 それって超高齢化社会の中で一番折り合いつけなくてはいけないテーマで、本当はいろいろな場面で、みんなで時間をかけて話さないといけないこと。難しいけれど、コンサルの仕事に比べて圧倒的なリアリティがあります。現場の先生たちや地域の役所の人たちと話して、問題意識を共有し、「これなら使えるんじゃない?」と少しずつDXを進めています。やっぱりどんな新規事業も、結局は現場に出て、人の話を聞いてチューニングしないと物事は進まないですよね。

龍崎翔子氏

龍崎 現場で一次情報を拾いにいくって本当に大切で、何回提案しても通らなかった話が、一回一緒にご飯食べたり、一回一緒に視察に行くだけで、一気に話が進むことがよくあります。ただ身体は一つだから自分ができるキャパにも限界があって、ご著書に書いてあった「自分がちゃんと集中して考える時間を作り出すのがマネージャーの義務」という指摘は、まさに自分に必要な言葉だと感じています。

メン獄 頭を使う時間の確保は生命線ですからね。やっぱりコロナ禍のときがホテル業界的には一番きつかったですか?

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一時は精神状況も悪化して、不眠と過食に悩まされて……

龍崎 意外に、緊急事態宣言が出て1年くらいは楽しんで対処できたんです、アドレナリン出まくりだったから。同世代の起業を目指す人たちが「今の日本はペイン(痛み)がない」とか言っていた世の中に急に世界的にバカでかいペインが平等に降り注いだ。売上は95%落ちたけれど、今こそ面白い挑戦ができるタイミングなんじゃないかと思いました。

 ホテルを5棟見ながら、新しい事業を4つ走らせたため、毎日がミーティングでぎっしり埋まって、まとまって考える時間が全く取れてなくて、それでもクリエイティブジャンプが求められる日々。もう脳がちぎれるような感覚でしたね(笑)。

緊急事態宣言下の東京 ©AFLO

 仲間たちもめちゃくちゃ頑張ってくれたので、結局売上は3割減くらいで耐え抜けました。ただ、本当の苦しさがやってきたのは、コロナ禍が終わった翌年。新しい事業が沢山できたことで、それまで活躍できていた人がそうでなくなったりして、わりとメンバーが辞めたんです。私はみんなの給料とボーナスをかき集めようと必死だったのに社内で温度差が出てしまって、一時は精神状況も悪化して不眠と過食に悩まされました。

メン獄 よくぞ生き延びましたね! そうやって考えると、サラリーマンは気楽だ(笑)。

龍崎 でもメン獄さんの本読んでると、どう見ても働き過ぎだと思いますよ。究極のハードワークでもサバイバルする極意を教えてほしいです。

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