『すべての人にいい人でいる必要なんてない』(キム・ユウン 著/西野明奈 訳)かんき出版

 友人、恋人、家族、同僚など、あらゆる人との関わりによって心はさまざまに波立つ。その繊細な心の揺れを真っ直ぐ見つめ、辿り着いた「境地」を丁寧に綴った韓国女性作家のエッセイが人気だ。韓国で60万部超の大ヒットとなり、日本でもじわじわとヒット中。

「心配するふりをして過度な干渉をしてくる人と思い切って離れる勇気を持つこと、恋愛の真っ只中にいても自分を見失わない方法など、本書には人間関係において大切にしたいことが詰まっています。著者は愛の喜びや哀しみなど自分の体験を包み隠さず語り、ネガティブな感情もストレートに表現する。思わず世界に引き込まれ、かつ多くの気づきを得られる。没入感と癒し効果がある一冊です」(担当編集者の渡部絵理さん)

《誰がなんと言おうと、この世でいちばん大切で重要なのはあなただから》といった語りかけるようなメッセージは、力強くもスッと心に入ってくる。それは著者に対するバイアスがかかっていない、翻訳本ならではの良さなのだそう。

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 中心読者は10代~20代。編集部に届く感想の中には中学生からのものも。日本語版オリジナルカバーも印象的で、リアル書店での売れ行きが9割を占める。

「『ジャケ買いしたけど、気づけば涙が止まらなくなった』『私のお守りの本です』など、嬉しい感想をたくさん頂いています」(渡部さん)

2023年9月発売。初版5000部。現在9刷5万5500部(電子含む)