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「怒りで震えが治まらなかった」13歳の愛娘が自殺…残された父の悔しさ、彼女を苦しめた犯人の正体

「怒りで震えが治まらなかった」13歳の愛娘が自殺…残された父の悔しさ、彼女を苦しめた犯人の正体

『事件の涙』より #9

genre : ニュース, 社会

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〈それで転校することになって、行ったけど人見知りで、ぜんぜんうまくいかないし、そんな仲良くなれなくて、ちゃんと行くからって言ったのに、行けなくて、くやしかったし、そんな自分がイヤで、本当に自分がキライになった。口だけの負け犬でごめんなさい。私が普通の子でたくさん友達がいて、ちゃんと学校に行ってる子だったら、幸せだったのかな。ろくでもない子どもでごめんなさい。学校も行けない弱虫でごめんなさい。私もそんな私が大キライです〉

 そして陽菜は絶望の淵から這い上がることなく、社会の矛盾と葛藤し、最後は父親への感謝の言葉で締める。

〈もっと不登校にやさしい世界だったらなって、あまえて思ってしまうこともあります。義務教育って大切なことわかるけど、学校に行かなきゃダメかな。塾とかじゃだめなのかなって思う。でもお父さんは私に学校毎日ちゃんと行ってほしかったよね。行けなくてごめんなさい。ここまで育ててくれてありがとう。長生きちゃんとしてね〉

「これは、ただの自殺じゃない。いじめが原因だ」

 事故直後、警察から連絡を受けた父親・洋(当時57歳)は、駆けつけた病院の集中治療室で全く動くことがない娘の姿を見てこの1年間の出来事を思い出し、「こみ上げる怒りで震えが治まらなかった」と回顧する。果ては、陽菜は一度も意識が戻ることなく、約2週間後に息を引き取った。そして洋は娘の遺書を読み、「これは、ただの自殺じゃない。いじめが原因だ」と確信するのだ。

 洋がいじめを信じて疑わなかったのは、ちょうど1年前の2017年夏、沖縄への家族旅行を境に、陽菜から笑顔が突如として消えたからだ。沖縄の美しい海など数枚の風景写真を、陽菜が何気なく自身のツイッターに投稿すると、思いがけないことに周囲は不満の矛先を彼女に向けた。何がカンに障ったのか、なぜ先輩と揉め、親友に無視されるまでに発展したのか。いずれにせよ、いじめはここから始まった。

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(文中敬称略)

◆◆◆

【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】

▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)

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