名門進学校出身者の“特徴”
柴田 これは完全な私個人の印象なのですが、名門進学校出身者は受験期の“苦労話”をあまりしないですね。いわゆる地頭がいいというのか、スマートなのか。彼らにとって、東大合格までの道のりは、そこまで語るような苦労ではないのかもしれません(笑)。
――名門校出身者は、東大入学が前提にあるということですか?
柴田 そうですね。おそらく同級生だけでなく、先輩も東大へ進学する人が多いからか、東大入学を一大イベントと捉えていないという印象はあります(笑)。人生のなかに東大合格というイベントが通過点の一つとして組み込まれているというか。
――柴田さんは東大に知り合いがまったくいない状態で入学したとのことですが、名門進学校出身者とスタート地点で差があると感じた場面があれば、教えてください。
柴田 もちろん同級生としてはみんな横一線ですし、一般的な友人関係と変わりません。進学校出身者か非進学校出身者かを意識して学生生活を送るわけではないし、ずっと差を感じているということもありません。
ただ、もちろん驚いたこともあります。
東大は入学から間もなく、クラスごとで行う交流を主目的としたオリエンテーション合宿があるのですが、それより前に名門進学校出身者がお互いを知っているなんてことがあるんですよね。おそらく、みんな同じような進学校に通っているし、似たような予備校の最上位クラスにいたり、試験の成績上位者などで名前がわかっているということなんでしょう。大学生活のスタートよりも前から、人間関係ができているのは率直にびっくりしました(笑)。
就職活動におけるOB訪問でも、名門進学校出身の友人は、出身高校にたいていの職業の人がいたり。「やっぱり名門校はすごいなぁ」と思ったりはします。もっと極端な例だと、親族のほとんどが名門進学校→東大という人もいて、その系譜に圧倒されたこともありましたね。
【つづき】では同サークル所属の藤條玉葉さんのエピソードをご紹介。