不動産経済研究所の「首都圏 新築分譲マンション市場動向(2023年11月)」によると、新築分譲マンションの1m2当たりの単価は128.0万円。5m2広い物件を求めようとすると、物件価格が640万円程度アップする計算になります。
住宅ローン減税で13年かけて減税される総額を、物件価格の上昇分が容易に上回る計算となるわけです。
新築で首都圏のマンションのデータということを考えると、単価が高くなりやすい数字を使った試算ではありますが、実際の購入検討では5m2どころではない広さの違いのある物件を比較することもあるでしょう。
住宅ローン減税対応物件は高くなる可能性
シングルの場合、30m2程度の物件を検討することも多く、40m2や50m2の物件とは、10m2や20m2の開きがあります。この場合、1m2当たりの単価が多少低くても、やはり金額は大きく上昇することになります。
また住宅ローン減税が受けられるか否かを意識している人は多いため、平米単価以上にその境目の面積では物件価格に差が出るケースもあります。
住宅ローン減税で受けられる恩恵以上に物件価格そのものが大きくなることは、珍しくはないでしょう。
物件価格が上がるということは、ローンを借りる金額も増えることになります。
それに伴い利息も増えるわけです。住宅ローン減税の恩恵額と、物件価格の差が同額でも、やはり住宅ローン減税にこだわらず、物件価格を抑えることが賢明です。
すべての人が受けられるわけではない
そもそも、住宅ローン減税の最大減税額は、必ずしもすべての人が受けられるわけではありません。
住宅ローン減税は「年末ローン残高の一定割合が一定の年数」税額控除される制度です。
2024年に長期優良住宅などを住宅ローンで購入した人の場合、4500万円を上限に0.7%の金額が13年間、減税されます。
4500万円以上のローンを組んでいる人は、その0.7%に当たる31.5万円が最大の年間控除額です。それが13年間続けば合計409.5万円の減税が受けられることになります。