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本場アメリカでプレーして感じたこと

――2022年には米国のWNBA、ワシントン・ミスティクスに入団しプレーされていました。そこで持ち味は出せましたか?

町田 前半は厳しかったです。言葉を理解するのに時間がかかりましたし、自分の気持ちが思うように伝わらなかったりと、思っていた以上のストレスがありました。言語でのコミュニケーションに自信がない分、ひたすら練習や試合の動きなどを観察していましたね。

 それと、ボールの質感やタッチが日本と違っていたんです。ツルツル滑ってしまって。上手くコントロールが出来なくてストレスだったので、家に帰っても慣れるまでずっとボールに触っていました。

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 でも中盤から慣れてきて、チームメイトとコート上のホットラインもできた。言葉が通じなくても、呼吸が合って、自分のパスを受けてくれて、シュート決めてくれる。やっぱり私はその瞬間が好きで、それは日本でもアメリカでも変わらなかったです。

2021年東京五輪の決勝戦ではアメリカと対戦 ©文藝春秋

シュートを決めると「ルイ・コール」をしてくれた

――バスケの本場である米国女子バスケはトップオブトップ。「さすが」と思うところはありましたか?

町田 全員の意識の高さがすごかったですね。特に、エレナ・デレ・ダンは本当にプロフェッショナルで……。チーム練習が始まる4時間前にコートに現れて個人練習に励んでいました。どれだけ実力があっても、絶対に手を緩めようとしない選手たちからは大きな刺激を受けました。

帰国する際にはチームからねぎらいの言葉も(ワシントン・ミスティクスの公式Xより)

 観客席の雰囲気にも驚かされました。アメリカはホーム・アンド・アウェー方式なので、ホームの時は応援が地割れのように凄いし、反対にアウェーの時はブーイングもある。だからホームの時はファンをもっと喜ばせたいと思うし、アウェーの時は闘争心がより掻き立てられました。シュートを決めた時に「ルイ・コール」をしてくれることも(笑)。少し恥ずかしかったけど嬉しかったですし、そうした感覚は日本ではなかなか味わえないものでした。

 ハーフタイムの時にはショーが行われたり、スポーツの試合ではあるものの、一種のエンターテインメントとして確立されていたことも新鮮で、ちょっと羨ましかったな。日本でもバスケ観戦がより身近に感じられるものになってほしいなと思いました。