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 また何より、せっかくの温度センサーでありながら、体温測定に対応していないのは大きなマイナスです。実は米国では体温計として使うためのモードも搭載しているのですが、日本では認可されていないせいで用途が限られてしまっており、せっかくハードウェアまで内蔵しているのが無駄になってしまっています。コスト的にも安くはないはずで、なんとも残念な機能です。

(左)Pixelは独自のギミックとして温度センサーを搭載。アプリを起動して「温度測定」を選択します(中央)最初に被写体の種類を選ばなくてはならず、それゆえ材質がわからない場合は途方に暮れてしまいます(右)結果的に、測定データの正確性も、いまいち信頼が置けないのがもったいないところです

その5:生成AIの完成度と日本語対応は?

 最後に挙げられるのは、現在トレンドとなっている生成AI関係の機能です。Pixelは「Gemini」という、Googleの生成AIを搭載しています。一方のiPhoneは、「Apple Intelligence」という生成AIが、次のメジャーアップデートで利用可能になるとされており、今回搭載されたSoC「A18 Pro」も、このAIを使うことを前提に設計されていると言われています。

Geminiに「ジェミニでどんなことができるのか教えて」と質問した回答がこちら。詳しくまとまっているがわかりやすく噛み砕いて教えてくれるかというとそうでもないようです。ちなみに使い方は従来のGoogleアシスタントと変わりません
せっかくなのでライバルであるApple Intelligenceについてどう思うかも尋ねてみました。Geminiとの大きな違いである、クラウドではなくデバイス上で動作する技術であることにもきちんと触れています

 これまでスマホにおけるAI技術と言えば、写真の合成や加工、翻訳に使われる程度だったのに対して、これら生成AIはまるで人間と対話しているかのようなやり取りが可能になり、スマホの使い方を一変させてしまう可能性を秘めています。すでにPCなどで、生成AIを使って文章の作成などを日常的に行っている人も少なくないはずです。

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 そうした意味で、今回のiPhoneはまだベールを脱いでいないと言えますが、Apple Intelligenceが順調にリリースされても、日本語に対応するまではプラスアルファの時間を要するとされています。iPhone 16シリーズが現行モデルのうちに、日本語環境でApple Intelligenceがバリバリ使えるようになるかは、やや不透明です。

 現時点では、若干の制限があっても日本語で使えるGeminiを搭載したPixelに、軍配が上がります。今後の展開に期待したいところです。