「そこには『共用部に私物を置かないでください』という内容が書かれていました。注意書きを読んだ夫が『これ、絶対うちのことじゃん』と言い出しまして……。念のため、ほかの階の廊下も確認したところ、どの階も廊下に私物は置かれていませんでした。夫はそれ以来、ベビーカーを玄関の中に入れるようになりましたね」
「どうして誰も使わないんだろう?」と思っていた場所
大きなトラブルにはならなかったが、深谷さん宅に封筒が届いたのはこれだけでは終わらなかった。2度目もきっかけはほんの些細なことだったという。
「なにかのタイミングで、屋上に続く扉にカギがかかってないことがわかったんです。それからは、ときどき部屋で淹れたコーヒーを屋上に持って行き、チルタイムを楽しんでいました」
そのほかにも、キャンプで使ったテントを天日干ししたり、サンドイッチを作って屋上ピクニックをしたりと、日常的に屋上を利用。「とても便利なのに、どうしてみんな屋上を使わないんだろう、と不思議に思っていました」と深谷さん。そんななか、再びポストに“注意書き”が投函された。
もしカギが開いていても使用しないのが得策
「これも全世帯向けにはなっていましたが『屋上は使用しないでください』と書かれていました。今まで一度もほかの住人と屋上で鉢合わせした記憶がないので、この注意喚起も間違いなく私たち家族宛でしたね。契約のときに言ってくれれば使わなかったのにと今では反省しています」
一般的に、マンションの屋上は安全確保のため「立ち入り禁止」になっている。もしカギが開いていても使用しないのが得策だ。ちなみに現在、深谷家はそのマンションには住んでいないという。
「更新のタイミングで、賃貸の小さな一軒家に引っ越しました。庭が付いているので、誰にも怒られることなく快適にチルってます」
生活スタイルに合った家選びに成功したようだ。
誰しも加害者になってしまう可能性がある、集合住宅の隣人トラブル。すべてを未然に防ぐのは難しいかもしれないが、多少の心得は必要なのかもしれない。