――近年はバラエティ番組でもいわゆる罰ゲームや容姿をイジることなどがNGとなり、コンプライアンスの波が入ってきています。こういった流れにはどのような感想をお持ちですか。

壇蜜 あまりにもセンシティブになりすぎると、発言する機会だったり、表現するチャンスを逃してしまう危険性はあると思うんです。ただ「これは差別につながるかな」とか、「これは人を傷つける言葉なんじゃないかな」って疑う気持ちが昔から強かった方なので、それが和らいでいくっていうのは私は悪いことではないと思います。

 

テレビ出演者としての経験と課題

――テレビのお仕事を続けていく中で、「やりづらさ」を感じられたことはありますか。

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壇蜜 やりづらさというか、相手の方が求めてることに答えられないもどかしさはありました。「これをやって」と言われた時に、「それは見てる人たちが不快に感じませんか?」っていうようなことが一番悩みでした。

 例えば派手な衣装の中からお菓子を出して、胸の上に散らすように食べる扇情的な表現とか。嬉しい人もいるけど、嬉しくない人の方が私は多いなと思っていて。それがなかなか承諾できなかったりとか。

 

――これまでテレビ側が求めてきたことがこの数年で変わらざるを得なくなってますよね。そういう変化の流れ自体は好ましいものとして受け止めているのでしょうか。

壇蜜 そうですね。好ましい部分もあれば、そこまでしないと視聴者の方々の「快不快」を守れないぐらいになっちゃったんだなって。視聴者の方々が「快不快」をテレビからキャッチするセンサーがものすごく敏感になってるんだなっていう気持ちもあります。

 若い頃は普通に笑って見ていた視聴者が、今は家族ができて、子どもが生まれて……子どもと一緒に見る時にそれを笑って見ていられるか、いや見ていられないってなったりして。だからそういう変化が生まれるのかなって。生活環境や立場によって、テレビが面白くなったり、テレビに違和感を感じたりするっていうのがやっぱり大きいのかなって思います。