1968年に巨人入りし、V9後期に先発投手で活躍した関本四十四氏(76)が、チームメートとして、監督としてのミスターを語る。
新潟県立糸魚川(いといがわ)商工高校を卒業して春季キャンプに向かい、多摩川のグラウンドで、右も左もわからないドラフト10位の私に最初に声をかけてくれたのがミスターでした。
「坊や! キャッチボールをやろうや!!」
巨人=ONのファンだった私は突然の出来事が信じられず、指先からボールが離れずに足下へ投げてしまったことを覚えています。なぜミスターが田舎出身の無名選手の私に声をかけてくれたのかわかりません。ミスターと王貞治さんが現役のうちに一度はマウンドに上がる。それが入団時の目標でした。

それから3年間は多摩川で地獄の日々を送り、先発投手として一軍で投げ始めたのは1971年です。10勝を挙げ、新人王を獲得したこの年、阪神とのロードゲームの時に泊まる芦屋のホテル竹園で交わした会話が親交の深まるきっかけでした。
「ミスターは(洋画家である)梅原龍三郎さんの薔薇シリーズの絵をお持ちだそうですね?」
「おっ、お前は絵に詳しいのか?」
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
電子版+雑誌プラン
18,000円一括払い・1年更新
1,500円/月
※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2025年8月号

