今年は戦後80周年、来年にはウルトラマンが60周年を迎える。今号の表紙には村上裕二氏が「カネゴンは昭和をゆく」を描いた。今回、村上氏が20代の頃からひそかに慕う元祖・怪獣博士ことみうらじゅん氏と初対面。みうら氏の驚きの自説にも沸いた。一方は怪獣、一方はヒーローに夢中になった幼少期を振り返り、昭和の記憶を辿る。
村上 はじめまして。僕、ウルトラマンも大好きなんですけど、みうらさんの大ファンでもありまして。
みうら ええッ。
村上 みうらさんの言葉に救われてきたというか。年取ってショボくれて来たなぁと思っていたところに「老いるショック」とか「アウト老(ロー)」と言ってもらえると、肯定された気持になったり。節目節目に心が軽くなるような言葉をポンッと、差し出してくださって。
みうらさんを前に僕が語ることは何もないんですけど、一目会いたくてノコノコ出て来てしまいました。対談が決まった日からずっと緊張して、今日も文春に向かうタクシーで何度溜息をついたか……。
みうら 運転手さん心配したかも。
令和にはカネゴンが足らない
村上 僕は昭和39(1964)年生まれで、今年61歳。カネゴンが出てくる『ウルトラQ』が始まった時は1歳児だったので、完全なる再放送世代です。
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source : 文藝春秋 2025年8月号

