お墓のスタイルが多様化し、“ブランド墓”も進化している。
都内でも有数の著名寺院の一つ、築地本願寺。古代インド仏教の様式を模した特徴的な本堂に向かって左に佇む円柱状の建物が、2017年に作られた「合同墓」だ。
築地本願寺には、東京・杉並に広大な墓地「和田堀廟所」があったが、新たに始めた「合同墓」はブランド力に加えて、これまでの墓地にはない利便性も相まって予約が殺到。現在は第2期の募集が進む(9月22日まで)。2027年には新たな収骨施設が募集される予定だ。契約に必要な「冥加金」は30万円で破格の安さと言える。
合同墓では、遺骨は細かく粉状にして、専用の小さな「お骨袋」に入れる。それを合同墓内に収蔵するのだが、その回廊には個人名が刻まれる(現在はデジタル刻銘)。宗派を問わず入ることができ、永代にわたって築地本願寺が供養してくれるのも人気の秘密だ。
この合同墓は、2015年にはじまった築地本願寺の改革プロジェクトの一つである。
旗振り役を担ったのは、当時宗務長を務めていた安永雄彦氏。三和銀行からコンサルの経営者に転じ、50歳で僧侶となった異色の経歴の持ち主だ。
「当時の築地本願寺は、寺離れが進む時代背景とともに参拝者も減り、赤字が膨れ上がる一方でした。そこでプロジェクトを立ち上げ、現代人のライフスタイルに合った寺院への変貌を目指しました。合同墓はその一環です。今は多くの方がお墓の問題に心を悩ませていますが、共通しているのは『次の世代に迷惑をかけたくない』という気持ち。そんな時代に寄り添う『これからのお墓』として作ったのが合同墓でした」
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