長い歴史をもち、由緒正しき希少性のある土地にあるブランド霊園。各墓地で配布されるパンフレット、過去のメディア報道を紐解くと、ブランド霊園に眠る著名人も少なくない。
その代表格は、青山、雑司ケ谷、谷中など長い歴史を誇る都市部の都営霊園だ。ただ、郊外にある都立多磨霊園(府中市)も負けてはいない。

1923(大正12)年に開設され、青山霊園の約5倍、東京ドーム25個分を超える面積を誇る。今年度行われた募集では、1.7~7.95平方メートルで約157万~733万円。青山霊園に次ぐ価格帯だ。墓標を見れば、東郷平八郎に江戸川乱歩、丹波哲郎からスパイ事件のゾルゲまでずらりと並んでいる。広大な敷地の半分は公園で、武蔵野の風景を代表するアカマツと雑木林が点在し、四季折々で花や新緑、紅葉と豊かに変化する。
著名人の墓地を訪ねる「墓マイラー」としての著書もある、イラストレーターのあきやまみみこさんは、多磨霊園にある岡本太郎の墓が忘れられないという。
「墓石になっているのは、岡本太郎さん作のブロンズ像『午後の日』で、訪れると目が合って微笑みかけてきます。ご家族のお墓にも太郎さんの作品が置かれ、川端康成が岡本家に文章を寄せた追悼碑もあり、まるで美術館のようになっています」

都立霊園を離れても、有名人の墓が多いのは、やはり東京周辺だ。
東京・西麻布(港区)にある曹洞宗の永平寺東京別院・長谷寺には、坂本九と盛田昭夫、日蓮宗の大本山・池上本門寺(大田区)には、力道山、大野伴睦、幸田露伴、児玉誉士夫らバラエティーに富んだ人物の墓が並ぶ。徳川綱吉が創建した護国寺(文京区)には、『あしたのジョー』『巨人の星』原作で知られる梶原一騎に、彼の代表作『空手バカ一代』で主人公のモデルとなった極真空手創設者・大山倍達の墓がある。
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