永代供養、自然葬……多様化する「弔い」の現場に迫る
「5年前に突然、母が札幌から上京してきたんです。『自分が元気なうちに先祖さんの骨を海洋散骨で供養して、墓じまいをしておきたい』って。私は長男で、いずれ自分が墓をどうにかしなければならないと考えていたので、驚きました。
ちょうど父の体調がおぼつかなくなってきた頃で、私と妹に異論はなかった。それから3週間足らずで、母は全ての手続きを終え、実家の仏壇も撤去しました。今は箪笥の上に近しい先祖たちの写真を飾り、毎日語りかける生活を送っていますよ」
そう語るのは、経済評論家の山崎元さんだ。
近年、「墓じまい」が注目を集めている。少子化やライフスタイルの変化で、先祖代々の墓を継ぐのが困難な人が増えているためだ。
「墓じまい」とは、埋葬した遺骨を墓から取り出し、墓石を撤去して更地に戻すことをいう。取り出した遺骨は、墓石ごと新たな場所へ移す「お墓の引越し」をするか、墓を閉じて別の供養をするか、どちらかを選ぶことになる。いずれも法律上は「改葬」と呼ぶ。
「墓の存在が負担だった息子としては、母親が墓じまいをしてくれたことは、これまで母親が私にしてくれたことの中でも最も感謝した出来事でした」
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source : 文藝春秋 2018年04月号