『サルとジェンダー』フランス・ドゥ・ヴァール/紀伊國屋書店
『フォルモサ南方奇譚』倉本知明/春秋社
『存在の四次元』ジョセフ・ルドゥー/みすず書房
自分が雑駁な性格だからだろう、絡まり合い、こんがらがった複雑な問題や現象を丁寧に腑分けして風通しをよくする、そんな本に惹かれるし、それをしてくれる名人の手さばきにも見とれてしまう。
人のジェンダー問題という混沌について、生物学的な基盤と文化的な構築とを丁寧に解剖していくのが『サルとジェンダー』だ。著者のドゥ・ヴァールはヒトを含むさまざまな動物についての膨大な事例を総覧し、優しさと科学的厳密さが両立する見方を提示する。生物学と文化は相対立するものでもないし、人のジェンダーをめぐる諸問題に生物学が無関係なわけでもない。要は、生物学と文化のバランスをどうとるか、ということだ。この点で達人のような絶妙さを見せてきたドゥ・ヴァールの死が、惜しまれる。
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source : 文藝春秋 2026年1月号

