元若嶋津が盟友に贈った勝ち星数の千羽鶴

第63回

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 三月春場所中、元大関若嶋津の日高六男さんが肺炎により亡くなった。69歳だった。現役時代から火花を散らして稽古に励み、同時代に大関を張った元琴風の中山浩一さん(元尾車親方)が、涙ながらに弔辞を贈った。そのなかの一節に、

「14年前、巡業先で私が大ケガをして全身麻痺となった時、親方はそっと寄り添い、静かに背中を押してくれました。私が退職を考えた時、涙を流しながら引き止めてくれたその思いがあったから、あんなに苦しいリハビリも私は頑張れたんだと思います。そしてその後、親方自身もまた大きなケガをしました」

 家族ぐるみの付き合いでもあり、元若嶋津の長女・愛里さんがかつてこう語っていた。

「口数が少ない父ですけど、尾車親方(当時)の入院中は『お父さん、もう尾車親方のことしか考えてないな』と思うくらい。病院にお見舞いに行って帰って来ても何も言わない。辛いから言いたくなかったんでしょうね」

 元琴風の長女である亜季さんもいう。

「父が退院して1週間後、九州場所千秋楽の日に両家が合流しました。お互いに両親に内緒で、娘同士でこっそりと連絡を取り合って、退院のお祝いをしたんです。『よくここまで来られたね』って」

葬儀には大勢の角界関係者が訪れ、葬儀場の沿道には100人以上のファンが駆け付けた Ⓒ共同通信社

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source : 文藝春秋 2026年5月号

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