元横綱照ノ富士が率いる伊勢ヶ濱部屋。昨年6月に先代師匠の元横綱旭富士から名門部屋を継承した若き師匠が、この2月に暴力問題を起こし、処分を受けた。後援者を交えた宴席で、弟子の伯乃富士が酔って狼藉を働き、指導の意味も込めて伊勢ヶ濱親方が殴打したというものだ。春場所後に現場状況や処分内容が相撲協会のコンプライアンス委員会を経て発表されたのだが、まず「午前3時頃から六本木の会員制ラウンジで会合した」との一文に目が止まった。

古くから、相撲部屋にとって物心両面を支えてくれる後援者は欠かせない存在であるのは否めない。かつて元大関朝潮の七代目高砂親方が、こう話してくれたことがある。
「師匠(元横綱朝潮の五代目高砂親方)が、『将来、横綱大関になった時に恥ずかしくないように』と、銀座のクラブや向島の料亭で、まだ若い自分に“遊び方”を教えてくれたもの。俺は人気があったから後援者から御指名を受けて同席することも多かったんだ。そりゃ楽しくはないよ。だから自分が師匠になってからは、弟子を部屋の経営のために宴席に連れ出すようなことはしなかったよね」
元大関琴風の師匠は、豪快なことで知られる元横綱の琴櫻だった。
「店の仲居さんに『今日は何人いるの?』と、師匠は厨房の板前さんから何から全員に心付けを渡す。それもこっそりじゃなくて、わざと私の前でやるんです(笑)。今思うと『相撲部屋の師匠の交際術』を教えてくれていたんですよね」(元琴風)
元横綱武蔵丸の武蔵川親方もいう。
「師匠(元横綱三重ノ海)は『30分だけ付き合ってくれ』と俺たちに言い、『明日も朝稽古があるので失礼させます』と相撲取りを先に帰らせてくれる。後援者は『明日も頑張れよ』と車代をくださり、その後は師匠がお付き合いし、翌日は稽古場にすっきりした顔で座ってる。弟子たちは二日酔いだなんて言っていられなかったんだよなぁ」
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
電子版+雑誌プラン
18,000円一括払い・1年更新
1,500円/月
※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2026年6月号

