一瞬が放つ光
小説は、沖縄を舞台に、二つの時間軸をいききする。ひとつは、幼い行生が成長し、高校生となる現代であり、もうひとつは、行生の大伯父、修仁が、師範学校卒業後、勤皇隊に入隊する戦時であり、その後アメリカの占領を経て本土返還に至る戦後である。語り手は、最初はだれなのかわからない。
舞台は沖縄で時間軸は二つだが、しかしこの小説の背後には、琉球王国の、もしかしたらその以前からの、言い伝えられてきた神話や物語、あるいは修仁がかつて読み続けてきた物語、評論、漫画、幼い行生が浴びるように見たアニメ、特撮映画、数えきれず体をなさない膨大な物語が渾然と混じり合い、ゆたかに横たわっているように感じられる。

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source : 文藝春秋 2026年5月号

