気の進まない大冒険の日々

　語り手は、とっちゃん、5歳の男の子。父と母と、3歳の弟のひーくん、おっきな犬のポーちゃんと九州の小倉で暮らしている。とっちゃんはごはんを食べるのもゆっくりで、幼稚園も大嫌い。「おしっこ」が言えなくておもらしをして、幼稚園が貸してくれる替えのパンツをはいて帰る。そんなとっちゃんに、幼稚園の子どもたちは意地悪をする。でも、とっちゃんは泣かない。

　とっちゃんが安心できるのはおうちだけ。食いしん坊の弟、ひーくんと、よく気のつくお母さんと、よく笑うお父さんと、ちょっとこわい犬のポーちゃんと、ときどき大阪からおばあちゃんがやってくるおうちでだけ、とっちゃんはのびのびできる。けれどあるとき、とっちゃん一家は小倉から横浜に引っ越すことになる。

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