第一線で活躍する14人が今年のおすすめと昨年のベストを選びました
【選定者とおすすめの展覧会】
蔵屋美香|横浜美術館館長
ちいさな美術館の学芸員
加藤祥平|徳川美術館学芸員
千葉真智子|豊田市美術館学芸員
児島大輔|東京国立博物館保存修復室長
保坂健二朗|滋賀県立美術館ディレクター(館長)
田坂博子|東京都写真美術館学芸員
藪前知子|キュレーター・東京都現代美術館学芸員
稲庭彩和子|独立行政法人国立美術館 国立アートリサーチセンター 主任研究員
吉田恵理|静嘉堂文庫美術館学芸員
木下直之|静岡県立美術館館長
町村悠香|町田市立国際版画美術館学芸員
蔵屋美香|横浜美術館館長

2025年のベスト
「望月桂 自由を扶くひと」展
原爆の図丸木美術館
2025年4月5日〜7月6日
2026年のおすすめ展覧会
「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」展
国立新美術館
2026年6月10日〜9月21日
さあ新年度。これからどんな展覧会が見られるのかな、とワクワクします。
個人的に楽しみなのは、「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」です。ピカソの名前は知っているけれど、ややこしくて見方がわからない、という方も多いはず。この展覧会では、イギリスの著名なファッションデザイナー、ポール・スミスが、ピカソの作品に合わせてカラフルな壁紙をデザインします。壁紙が絶妙なヒントとなって、あ、ピカソはこんなことを考えてこの色の組み合わせを選んだのかな、と、新しい鑑賞の手がかりが得られます。達人×達人のかけ合いをたっぷりと味わえそうですね。
こうした大規模な国際巡回展もすばらしい一方で、低予算でも心に響く展示があります。わたしが2025年にもっとも記憶に残ったのも、そんな企画のひとつ。これからしばらく工事休館となる原爆の図丸木美術館(埼玉)で開催された、「望月桂 自由を扶くひと」です。望月は、戦前に活躍したプロレタリア美術の画家です。しかし、一膳飯屋を営んだり、漫画雑誌を出したりと、その活動は美術の枠を超えて縦横無尽。戦後は地元で静かに生きた作家の多彩な活動を、研究者やアーティストが集まって一つひとつ掘り起こしました。
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source : 文藝春秋 2026年5月号

