文学史の授業への反応が薄すぎる――。昨年10月、国語教員である私が、そんな悩みを当時勤務していた茅ケ崎北陵高校の3年生に打ち明けたのが、開発のきっかけでした。
「カードゲームにしたらいいのでは」とのアイデアは生徒から生まれ、いつの間にか文学史を学べるカードゲーム『大文豪』の開発チームが結成されました。推薦入試などで早めに進路が決まった生徒たちが遊びの中で制作を始めたのです。

使用するカードには、入試頻出の72作品が、それぞれ一作ずつ印刷されています。作品名のほか、作者、発表年、似顔絵、一言紹介、引用文なども掲載されています。
遊び方は、トランプの「大富豪」に似ています。時計回りで手札を場に出し、手札がなくなった順に勝者が決まる。手札を出す基準は作品の発表年。山札に「より古く」「より新しく」といった指示が書かれており、その指示に合う発表年の作品のカードを出していきます。
「より古く」の指示が出ているなら、1935年発表の「雪国」が出された後に、36年発表の「風立ちぬ」は出せません。発表年を意識することで遊びながら文学史の流れを掴める仕組みです。
ちなみに、カードを出すときは「蒲団(ふとん)・田山花袋(たやまかたい)」「阿部一族(あべいちぞく)・森鴎外(もりおうがい)」「多情仏心(たじょうぶっしん)・里見弴(さとみとん)」と、作品名と作者名を読み上げなくてはならず、作者名にはフリガナはありません。音読することで記憶の定着を狙っているのです。

高校生らしい視点のルールも盛り込まれています。インスタグラムなどSNSで多用される「タグ」システムです。
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