GE、GM……世界の富豪経営者と徹底比較
「日産で働く多くの人々は、これまでのプライドをかなぐり捨て、何とか競争力を取り戻し、日産ブランドを復活させたいと真剣に考えているはずだ」
1999年5月、パリ・日航ホテルの一室――私の目をまっすぐ見据えてこう語ったのは、カルロス・ゴーン氏だ。
同年度に6800億円を超える赤字に陥った日産は、ルノーから36.8%の資本を受け入れるという屈辱的な決断を下した。
そして同年6月、ルノーを建て直した実績を引っさげて、「再建請負人」としてCOO(最高執行責任者)に就任したのがゴーン氏だった。
私は当時、日本経済新聞の欧州総局で記者をしていたが、ゴーン氏とは初対面。このときは、ゴーン氏のCOO就任直前で、ルノーから「日本のメディアが日産をどのように評価しているか聞きたい」と依頼があり、日本で自動車業界を担当して日産も取材対象としていた私が出向くこととなったのだ。
「日産を再建できるかどうか、日本中が注目をしている。プレッシャーは感じないのか?」
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source : 文藝春秋 2019年1月号