鷲田清一・哲学者
写真=山元茂樹
大震災が東北地方を襲ったのは、哲学者・鷲田清一(72)が大阪大学総長を務めた最後の年だった。発生から約50日後に訪れたせんだいメディアテーク。そこで見た光景は、哲学者に強烈な印象を残した。
「再開したばかりの施設内の図書館で、貸し出しカウンターに長い行列ができていたんです。みんなが不安を抱えてずっと誰かと過ごしていた時期だっただけに、逆に一人で静かにもの思う、そんな時間に飢えていたのだと思う。本の大切さを感じて、勇気づけられました」
その後メディアテーク館長として招かれた鷲田には、哲学は研究だけでなく、社会の中で生きた力となるべきものだという思いがある。
「市民の生涯教育や、世の中の問題を感じとって活動したいと思う人々を支援するのがこの施設の役割。有機農業でもファッションでも、何でもいい。ここから出てくる面白そうな活動の芽に、胸がときめくんです」
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source : 文藝春秋 2022年1月号