夏木マリ・演出家
「裏切るのが好き」。舞台を前に夏木マリ(69)は、目を輝かせる。演劇の世界に飛び込んだとき、夏木は30歳。右も左もわからなかったから、がむしゃらに経験を積んだ。
「だんだんと集団での立ち位置がわからなくなってきて、40歳を過ぎて始めた一人舞台が『印象派』。まさかこんなに続くと思わなかったけれど」
「印象派NÉO」と名前を変え、今では再び集団で舞台を創っている。こだわるのは、「身体言語」だ。
「世の中、誰もが何かと折り合いをつけて生きていますが、舞台の上では本能のまま動ける。そこに言葉や説明はいりません。肉体の発する言葉に耳を傾けたいし、私自身、一つでも多くその言葉を持っていたい」
演じるよりも、舞台を「創る」ほうが面白いと気づいた。
「空間と時間を使って思う存分遊んでいるというのかな。『なんだこりゃ』とお客さんを裏切る舞台が理想です」
そう言うと、いたずらっぽく笑った。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2022年2月号