自然に親しむ生活が求められる今、歴史あるリゾート地・軽井沢では新潮流の貸別荘が増えているという。森の中に現れた個性的な住処を巡り、この地がもたらす安息を探る。
自然と共存する地に寛ぎ、新しい「脱日常」を愉しむ
ライフスタイルの多様化と共に、別荘地への関心が高まっている。なかでも脚光を浴びるのが軽井沢だ。なぜ軽井沢なのか。「森の離れ」や「方の家」を始めとした別荘を、当地で多く手掛ける建築家ユニット・TNAの武井誠氏に尋ねた。
「何といっても東京から新幹線で1時間という距離は近い。そして自然は愉しめる、文化的なこと、食もリゾートもある。すべてが軽井沢で完結します」
重ねて、豊かな自然が息づく環境も魅力的だという。別荘地として歩み始めた明治中期以降、当地では“愉しみは自然に求めよ”という精神のもと、確固として環境保護が貫かれてきたのだ。
「かなりストイックな建築法規があり、環境を護っている。そのため自然と建築物、人の営みとのバランスが良く、それが崩れることはないですね」
近年では軽井沢に定住し、別荘を本拠地とする人も数多いという。別荘の在り方も変化していると武井氏は説く。
「別荘は非日常と言われてきましたが、日常を否定しているわけではないので。ちょっと日常から抜け出すというか、脱日常が体験できる場所であるかと」
新潮流の別荘が勢いづく一方で、伝説的な「カプセルハウスK」も革新を保つ。黒川紀章氏の長男であり、建築の保存に取り組む黒川未来夫氏によれば「土地への影響を抑え、自然との共生を実現した建物です」。浅間山を望むカプセルは半世紀を経て、森と深く同化し、訪れる者に高揚と安らぎをもたらしている。
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