評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。
シン・日本アニメ史
『シン・ウルトラマン』が絶賛上映中だ。「シン」の語は1966~67年にテレビ放映された「ウルトラマン」へのリスペクトを込めた再解釈新作=リブートであることを意味する。しかし、そこでは何が、どうリブートされているのか。
『ウルトラ音楽術』(インターナショナル新書)では、著者の一人である青山通が空想特撮シリーズとして「ウルトラマン」に続いて放映された「ウルトラセブン」の音楽を担当した冬木透に聞き取りをしている。空想特撮シリーズの制作者には第二次大戦経験者が多く、注意深く見れば怪獣が暴れまわる作品のそこかしこに先の大戦の影が落ちている。「ウルトラセブン」でも「超兵器R1号」の回では原爆が暗示されていた。生まれ育った中国大陸からの引き揚げ後、最初に暮らした場所が広島だった冬木は「私にとって特別な関係があるテーマだと思って仕事にのぞみ」、「死の悲しみ」をモティーフとして音楽を作ったと語る。
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source : 文藝春秋 2022年7月号