台湾有事と東アジアの未来

新書時評

武田 徹 評論家・専修大学教授
エンタメ 読書
評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。

台湾有事と東アジアの未来

 親ロシア派のヤヌコヴィッチ大統領政権を2014年に民衆が抗議行動を起こして打倒した「マイダン革命」のドキュメンタリー映画『ウィンター・オン・ファイヤー:ウクライナ、自由への戦い』は香港、台湾でよく観られたという。

 野心的な大国と国境を接する小国ウクライナの不遇は香港、台湾に住む人たちにとって他人事ではない。マイダン革命に呼応するかのように台湾ではヒマワリ運動、香港では雨傘運動が起きている。しかし2020年に中央政府批判を封じる香港国家安全維持法が強引に施行され、50年間維持を返還時に約束されていた香港の高度の自治は失われた。

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source : 文藝春秋 2020年8月号

genre : エンタメ 読書