「ママは最後まで女優だった」長女が明かす家族三人の日々
宝塚歌劇団出身で舞台や映画、テレビで活躍した女優の朝丘雪路さん(本名・加藤雪江)が4月27日に82歳でこの世を去った。5年ほど前からアルツハイマー型認知症を患い、2009年から別居していた夫の津川雅彦さん(78)が3年ほど前から同居し、介護をしていた。45年間、連れ添った津川さんは、「娘を産んでくれたことを含め、すべてに感謝です」と語った。同じ女優の道に進んだ長女の真由子さん(44)が母の思い出を語る。
母の死がこれほど突然に訪れるとは思ってもみませんでした。
母を看てくれているお手伝いさんから「少し様子がおかしい」と電話をもらったのは、お昼頃、仕事先へ向かおうと自宅で準備しているときでした。心配ですぐに車で5分ほどの実家へ駆けつけました。
母はベッドのなかで、すやすや眠っているように見えました。寝息のようにスースーと息が聞こえ、いまにも目を開きそうです。私は「ママ! ママ!」と何度も呼びかけました。
お手伝いさんの話では、朝はいつもの様子でしたが、しばらくして声をかけると反応がなかったそうで、あわてて仕事で外出していた父と私に連絡したとのことでした。
父から、とにかくお医者さんに連絡をとるように言われましたので、主治医に連絡をとりました。
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source : 文藝春秋 2018年07月号