様々な宗教と利害が絡み合う街の今を探る
今年の1月1日を私はエルサレムで迎えた。朝6時、まだ暗いうちにホテルを出て、車でオリーブ山に向かう。3つの宗教の聖地がある旧市街を、間近から見渡せる小さな山だ。初日の出を浴びる旧市街の映像をカメラにおさめるためだったのだが、よりによって東の方角に分厚い雲が垂れ込めている。
太陽も拝めないうえに、ひどく寒い。障害物がないからか、冷たい吹きさらしの風をまともに受けてしまう。私は凍える身体を震わせながら、少々恨みがましい気持ちになった。
どうして新しい年の最初の日に、自分はここに居るのだろう。
答えは簡単だ。要するに、私もあのトランプ大統領に振り回されている一人なのだ。世界中のたくさんの人たちと同じように。
去年も年明け早々にアメリカに向かい、大統領就任式を取材した。それからトランプ氏が事を起こすたび、担当している日曜夜のBS―TBS「週刊報道LIFE」で特集を組んだ。去年1年間で49回あった放送のうち、21回もトランプ大統領をめぐる動きにあてている。
そんな1年を締めくくるにふさわしい極めつけのプレゼントを、12月、トランプ大統領は世界に送った。エルサレムをイスラエルの首都に認定すると発表したのだ。
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source : 文藝春秋 2018年03月号