「文藝春秋 電子版」で、がん闘病記を連載中の医療ジャーナリスト・長田昭二氏。このたび、この連載をまとめた著書『末期がん「おひとりさま」でも大丈夫』(文春新書)が刊行された。ステージ4の前立腺がん患者となり、余命半年の宣告を受けた今、読者に伝えたいこととは――。これまでの連載を紹介します。
医療ジャーナリストのがん闘病記〈第1回〉
前立腺がんの手術を受けるための術前検査で、「少なくとも1、2年は大丈夫」と医師に言われた長田氏。その「2年」が過ぎようとする2023年の6月に発表された連載の初回では、長田氏ががんと出会う8~9年前から「末期がん患者」となるまでの軌跡を振り返ります。
抗がん剤は「演奏会が終るまで待ってほしい」 全身の骨に多発転移しても担当医に懇願した理由〈第5回〉
長年合唱を続け、「第九」(ベートーヴェン作曲交響曲第九番ニ短調作品125「合唱付き」)を歌ってきた長田氏ですが、がんの進行にともない、2023年秋の舞台が自身の「最後の『第九』」になることを予感します。練習を開始する長田氏ですが、その中で突然の発熱に倒れ……。
手術、抗がん剤、放射線治療で年間医療費114万2725円! その結果、腫瘍マーカーは好転した〈第9回〉
月平均で9万円を超す医療費を支払っていた長田氏。ではそのうちいくらが高額療養費制度で返ってくるのか。治療費の内訳や新しく作った「オーダーメイドのコルセット」の金額なども含め、「がん治療とお金」のリアルが実感できる内容です。
「ひげが抜け、あとから眉毛とまつ毛が…」抗がん剤で失っていく“顔の毛”をどう補うか〈第11回〉
抗がん剤の服用によって、長田氏の身体上にも多くの変化が見られるように。爪に「白い縞模様」ができたり、髪の毛や眉毛が抜けたり……。しかし、意を決して眉毛対策グッズを購入し、メイクレッスンを受けることにした長田氏。果たしてその結果は?
「余命半年」の宣告を受けた日、不思議なくらい精神状態は落ち着いていた〈第18回〉
「一つの区切り」として、余命半年の宣告を受けた長田氏。闘病を綴った新刊の発売をはじめ、残された日々をどのように過ごすか。ナイツの独演会、香港や日光への旅行……。事実として語られる内容自体は決して軽くはないものの、文章からは長田氏の「ポジティブシンキング」が感じられ、思わず感化されてきます。
source : 文藝春秋 電子版オリジナル