格差と分断の時代にこそ「国と民族との非分離の象徴」として価値がある
河西 今年4月、秋篠宮家の長男・悠仁親王が筑波大学生命環境学群に入学されます。昨年、推薦入試に合格されたわけですが、この経緯をめぐって「なぜ一般入試ではないのか」「特別扱いだ」といった批判が広がっています。発表直前までは「東大に進学されるのではないか」という臆測も流れていたため、ネットでは東大進学反対の署名活動が起こり、1万2000筆を超える署名を集めるまでに拡大しました。
いまや皇族が何か行動すると必ず批判の声が上がる。皇室は「炎上コンテンツ」になってしまっています。特に秋篠宮家の長女・小室眞子さんの結婚以降、国民との関係は悪化するばかり。ネットでは「皇室不要論」さえ日常的に飛び交うようになりました。非常に残念な事態です。

島田 悠仁さまの進学では、推薦のプロセスの不透明さを問題視している人が多いようですね。確かに特別扱いはよくないと私も思いますが、最近は大学受験において高校の成績や学外活動の評価に重きを置く「総合型選抜(AO入試)」や推薦入試の割合も増えているんです。筑波大でもそうした正規の選考過程で悠仁さまが基準を満たして合格したのであればなんら問題はない。ここまで臆測が広がっている以上、入試経路の正当性について大学側がきちんと説明すべきではないかと思います。曖昧なままでは入学後も臆測が消えないでしょう。
悠仁さまが「世間」に出る意味
先崎 そもそも、なぜ学習院ではないのかという疑問を持っている向きも多いようですね。
河西 たしかに戦後生まれの男性皇族が学習院以外の大学に進学するのは初めてです。
――秋篠宮家では、眞子さんも国際基督教大学(ICU)に進学されました。佳子さまは一度は学習院大学に入ったものの、中退して、AO入試でICUに入学されました。
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