これからの憲法を考える4つの提言

ライフ 社会 政治

そもそも憲法とは何か? 4人の慧眼の持ち主を訪ねた

木村草太氏 ©文藝春秋

 前号では、自公維民4党の改憲論議のキーマンに、詳しく話を伺った。今号では、さらに違ったアプローチで憲法について考えてみたい。

 例えば日本国憲法の三大原理と言えば、国民主権・平和主義・基本的人権の尊重。統治機構の基本理念と言えば、三権分立・法の支配・地方自治。それらの内容が正しく理解され、実践されているかと問われれば、問題点も多々ある。

 しかし、そうした高邁な原理論に興味のある人は、とっくの昔に新書の1、2冊でも読んでいることだろう。だいたい、崇高で美しい概念を説いてばかりでは、憲法論議はやたらと説教臭いものになってしまう。

 憲法とは、過去に国家が犯した失敗に学び、それを繰り返さずに人々が幸せに暮らすためのルールだ。良い憲法を実現したいなら、その国の社会や国際的な位置づけ、技術と人間の関係、人間の内面などを理解することから始めなければならない。

 そこで、70年目の憲法記念日を機に、憲法を考える前提として、ぜひとも知っておかなければならない知見やアイデア、感受性を持った4人の方々にインタビューした。

ソマリランドの場合

 高野秀行氏は、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白く書く」をモットーとするノンフィクション作家だ。著作はどれも深い洞察力にあふれるが、憲法学の観点からは、特に『謎の独立国家ソマリランド』が興味深い。

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source : 文藝春秋 2017年06月号

genre : ライフ 社会 政治