両陛下のご真意は息子2人へのご期待にある
「1年ほど前、皇后陛下は次のようなことをおっしゃっていました。
『国の象徴であり、国民統合の象徴という在り方を、1人の生身の人間が担う。それは非常に難しいことです。しかし(天皇)陛下は、国民統合の象徴にならんとする、つまりは、陛下ご自身の行いによって近づこうとしている姿を国民の方々にお見せし、理解してもらうことによって、それが結果として日本国民統合の象徴になるであろうと思い定めて日々を過ごされているのです』
両陛下は、ご公務を果たすことができてこそ、国民統合の象徴であり続けることができるというお考えなのです」
元外交官で、現在は日本赤十字看護大学教授である小池政行氏が両陛下、とくに皇后と交流するようになったのは、「昭和61年、フィンランドの大統領夫妻が来日した際に通訳官を務めたとき」というから30年前だ。昨年11月、その交流を振り返った文章(「皇后さまが明かした81歳の『ご覚悟』」)を本誌(12月号)に寄せた。
その小池氏は、天皇が「生前退位の意向」と報じられるしばらく前、お話をうかがう機会があったという。
「皇后陛下は、責任を果たせない状態になったとき、いつまでもご自分で責任を引き受けようとするのではなく、次の世代に引き継いでいくことが望ましいのではないか、という趣旨のことをおっしゃっていました。自らを厳しく律して来られたお二人の新しいご心境ではないか、と思ってうかがっていたのです」
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source : 文藝春秋 2016年09月号