天皇家と宮内庁徹底研究 「奥」で働く女官の世界

総力特集 天皇生前退位の攻防

ニュース 社会 皇室
西宮幸子氏(右) ©時事通信

 宮中の奥(オク)――。

 雅な雰囲気を醸す呼称は、皇室独特のものだ。事務方職員の表(オモテ)に対し、奥は天皇皇后の側近を指すことが多いが、「オクもご存じですよ」というように両陛下ご本人を遠まわしに指すこともある。

「江戸城において幕府の政庁を表、将軍の公邸と私邸部分を奥と呼んだように、皇居の表玄関である坂下門から入って正面にある宮内庁本庁舎が表。それに対して本庁舎の裏にある内廷庁舎(第二庁舎)や、さらにその背後にある天皇の私生活の場が奥にあることから付いた通称です」(宮内庁OB)

 その奥を代表する職が、天皇の側近である侍従と皇后の側近である女官。彼らは、各省庁の課長補佐から課長クラスだ。皇太子ご夫妻にはそれぞれ東宮侍従、東宮女官が付く。

 宮中で男女は厳しく分けられ、侍従は、皇后の部屋に入ってはいけない。同様に女官が天皇の部屋に入るのもご法度。彼らは、自分たちのことをお側に仕える職員という意味で「お側(そば)の者」という言い方をする。

 その仕事内容は公私問わず皇族のお世話をすることとされ、外遊や地方ご訪問にも同行するなど多岐にわたる。また、側近中の側近であるだけに、担当する皇族の仕事の仕方や好みを的確に把握しておくと同時に、相性も大事になってくる。

「皇太子殿下は侍従の提案に対してNOとは言いません。ですから、公務を充実させるためには日頃の会話の中で殿下の意志や希望をくみ取ることが求められます」

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source : 文藝春秋 2016年10月号

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