『伊勢佐木町ブルース』などで知られるブルースの女王・青江三奈(1941〜2000)。歌手仲間であり親友だった水前寺清子氏は、多くの時間を共にした。
青江三奈さんと初めてお会いしたのはテレビのものまね番組だったと思います。その後、何がきっかけだったかは覚えていませんが、次第に意気投合して行きました。私は青江さんを「青江さん」と呼び、青江さんは私を「チータ」と呼ぶ。今思うと、お互いの呼び方に関係性が現れているなぁと感じます。当時はよく青江さんの自宅へ遊びに行ったものです。青江さんは料理がとてもお上手で、私はいつの間にか美味しい手料理をいただくことが楽しみでお邪魔するようになっていました。私も青江さんも外に出ることがあまりなく、常にお家の中で、時間を忘れるほど色々なお喋りをしていました。
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source : 文藝春秋 2023年1月号