“防衛増税”で窮地の財務省、迷走する防衛省、半導体復活に蠢く霞が関

霞が関コンフィデンシャル

ニュース 社会 政治

日本を動かすエリートたちの街、東京・霞が関。官僚の人事情報をどこよりも早くお届けする

★財務省“司令塔”の悪癖

 防衛力強化をめぐる財源問題は増税の方針が決まったものの、決着は先送りとなった。まなじりを決して臨んだ財務省にとっては微妙な結果だった。

 茶谷栄治事務次官(昭和61年、旧大蔵省入省)以下の幹部は、メディア各社を訪問。「付加税」方式での増税実現への理解を求め、ブリーフィング行脚を繰り返した。

 平時なら住澤整主税局長(63年)ら主税局が中心となって動くはずだが、防衛増税ほどの目玉政策では本流の主計局が出張ってくる。防衛費は40兆円を超える巨額の歳出計画となるため、新川浩嗣主計局長(62年)も自ら主戦場に姿を見せた。

 血気盛んな財務省だったが、急所は首相官邸にあった。

 かつてなら霞が関のトップ、官房副長官が財務省を強力に支援したものだが、岸田文雄政権の栗生俊一官房副長官(56年、警察庁)は経済政策、政治的に厄介な問題には我関せず。官房長官の松野博一氏は反財務省の色濃い安倍派出身で、官房副長官の木原誠二氏(平成5年、旧大蔵省)は、党対策においては無力だった。

 唯一、宇波弘貴首相秘書官(平成元年)が財務省の意向を代弁するが、本省との連係も万全ではなく、次第に財務省は窮地に追い込まれる。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
新規登録は「月あたり450円」から

  • 1カ月プラン

    新規登録は50%オフ

    初月は1,200

    600円 / 月(税込)

    ※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。

  • オススメ

    1年プラン

    新規登録は50%オフ

    900円 / 月

    450円 / 月(税込)

    初回特別価格5,400円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。

    特典付き
  • 雑誌セットプラン

    申込み月の発売号から
    12冊を宅配

    1,000円 / 月(税込)

    12,000円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります
    雑誌配送に関する注意事項

    特典付き 雑誌『文藝春秋』の書影

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2023年2月号

genre : ニュース 社会 政治