日本を動かすエリートたちの街、東京・霞が関。日々、官公庁を取材する記者たちが官僚の人事情報をどこよりも早くお届けする。
★岡本次官の交代で
コロナ禍の影響で各省庁の夏の定期人事は通常より遅れているが、霞が関で耳目を集めているのが財務省の幹部人事だ。岡本薫明事務次官(昭和58年、旧大蔵省入省)の続投説は根強くあったが、岡本氏自身、折に触れ「次は太田だ」と語ってきたように、太田充主計局長(同)が事務次官に就くことになる。
安倍晋三首相が力を注いだ第1次、第2次補正予算は、今井尚哉首相補佐官(57年、旧通産省)と太田氏の2人が主導したもの。「今井氏ら経産官僚の軍門に下った」との非難も一部にはあるが、主計局長として本予算の編成を2回取り仕切った“実績”からも、次官昇格は基本線だ。
では、他の幹部人事はどうか。後任の主計局長に名前が挙がるのは、可部哲生理財局長(60年、旧大蔵省)と矢野康治主税局長(同)の2人。経歴だけで言えば、主計局総務課長、同局次長など一貫して主計畑を歩む可部氏の就任が順当に見える。だが、省内評価は主計、主税双方をこなしてきた矢野氏が上との見方で一致。菅義偉官房長官も野党時代から付き合いのある矢野氏を高く買っている。
ただ、矢野主計局長の場合、問題になるのが後任の主税局長人事。有力候補は「次の次の次官」が確実視される茶谷栄治官房長(61年)だ。
財務省エースの王道は、勝栄二郎元事務次官(50年)のように「官房文書課長→主計局次長→官房総括審議官→理財局長→官房長→主計局長→次官」。茶谷氏も「官房秘書課長→主計局次長→官房総括審議官→官房長」と歩んでおり、「勝パターン」に従えば次は理財局長を経て主計局長へというコースだ。
だが茶谷理財局長だと、主税経験が皆無の可部氏を主税局長に据えざるを得ない。一方、茶谷氏も主税経験こそないが、「調整力などは折り紙付き」(官邸関係者)。消費税率引き下げを大義名分にした秋の解散総選挙なども取り沙汰される中、茶谷氏の手腕が必要というわけだ。
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source : 文藝春秋 2020年8月号